相続した遠方の実家が空き家状態
親から相続した戸建ての実家が空き家状態です。遠方な上、時間が取れずメンテナンスに行けません。将来住む予定はなく、保有し続けるにも、売却するにも費用がかかり困っています。何か良い方法はありませんか。(60代、男性)
放置続けば罰金も 売買は多様化
空き家問題は近年とても深刻です。相続だけでなく、高齢の親が施設に入居したり、子の住まいに同居したりといった事情により生じた空き家に頭を痛めている方も多いのではないでしょうか。遠方という理由などで適切な管理が行えず放置状態という方は注意が必要です。
「空き家対策特別措置法」が2023年に改正となり、「特定空き家等」に加え、「管理不全空き家」の定義が新設され、管理不十分な空き家に対して自治体が指導・勧告できるようになりました。勧告を受けた空き家は、固定資産税の住宅用地の特例措置が解除され、税負担が現状の6倍になる可能性があり、最終的には、最大50万円以下の罰金を科されるケースもあります。
空き家の対策として住む、売る、貸す(管理する)、の3種の方法があります。遠方という状況で住む、貸すが難しければ、売却を検討することとなります。一方、売却に至るまでには不用品整理や廃棄、下見の立ち会いといった労力面、修繕や建物の取り壊し、仲介という費用面、さらには労力と費用をかけたものの、買い手が見つからないかもしれないという懸念が所有者を悩ませます。
最近では、買い手が見つかる前に不用品も含め現況のまま買い取ってくれる業者など不動産売買の選択肢も広がっています。諦めかけていたという方も今一度、ご自身の「空き家対策」に向け重い腰を上げてみませんか。なお、相続した不動産は、相続登記を済ませた後でないと、売却や賃貸といった行為ができない点にも注意しましょう。不要な不動産についてのご相談を承っています。
<たのシニア生活彩り倶楽部アドバイザー(ファイナンシャルプランナー)平田純子>